PLASMA NITRIDING

プラズマ窒化とは

プラズマ(イオン)窒化は、窒化性ガスに窒素、水素を用い、13.3Pa~1.3kPaの真空雰囲気中で製品と窒化炉の炉壁との間に数百ボルトの直流電圧を印加して得られるグロー放電中で処理されます。
製品は、グロー放電により得られた窒素イオンと水素イオンの製品表面への衝突作用を利用し窒化されます。

同時に、イオンの衝突作用により、窒化面の浄化、加熱が進行します。
プラズマ窒化は、製品材質や用途ごとに最適な窒化条件選択の自由度が高く、無酸化で硬化できるため、金型や精密機械部品などに幅広く採用されています。

プラズマ窒化の特長

FEATURE 1
表面に硬質な窒化物を形成し、同時に拡散した窒素が表層内部を硬化します
FEATURE 2
部分的な窒化防止対策が容易にできます
FEATURE 3
窒素・水素混合ガス混合比を調整すれば、窒化後の表面に形成される化合物層の組成を容易に制御することができます
FEATURE 4
380℃~590℃の温度範囲で窒化処理ができるので、処理する材質の適応範囲が広がります
FEATURE 5
ステンレス鋼やチタン材の窒化が容易です

プラズマ窒化の適用例

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  適用例 材質
金  型 樹脂型 NAK55,NAK80,DH2F,HPM1,HPM50等
温間鍛造型 SKD61,YXR33,MDC-K等
熱間鍛造型 SKD61,SKD4,YXR33,MDC-K,DHA1等
アルミダイカスト型 SKD61
アルミダイカストスリーブ SKD61
工作機械部品 カム,ギヤ,シャフト等動力伝達部品 SACM645
自動車部品 ギヤ,AT関連部品、駆動系部品他 SC材,SPCC材、ステンレス材等
その他 弱電部品,船舶関連部品,他 SKH51,SCM435等
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ラジカル窒化とは

ラジカル窒化法は、従来のガス窒化などの窒化法とは異なり、化合物層のない窒化を可能にした新しい理論に基づくプラズマ表面改質法です。
ラジカル窒化法は、ガス流量・処理圧力・プラズマ出力などを高精度に制御して得られる窒化作用の高いラジカル(活性種)を効率よく利用して、化合物質の生成を抑えた窒化を可能にしています。

ラジカル窒化の特長

FEATURE 1
金型や工具に発生するエッジ部の欠損やヒートクラックの発生が改善できます。また、化合物層による寸法変化や歪みの発生がありません
FEATURE 2
材質や要部の形状ごとに、最適な窒化条件を選択できます。また、部分的な窒化防止が容易です
FEATURE 3
処理後の表面状態は、面粗さの低下も僅少で表面状態も良好です
FEATURE 4
セラミック処理との複合処理では、硬質膜と製品表面に生じる大きな硬さの差を緩和し、硬質膜の密着力と耐久性を一段と向上させることができます
FEATURE 5
ラジカル窒化後の窒化部分は、溶接加工が可能です。また、化合物層がないのでメッキも容易です

窒化処理をした

各鉄鋼サンプル
表面の比較

※外観・3Dデータ 
※材質NAK55 対物レンズ100倍

  • 処理前

  • 塩浴窒化 処理後

  • ガス軟窒化 処理後

  • ラジカル窒化 処理後

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窒化法 塩浴軟窒化 ガス軟窒化 ラジカル窒化
処理雰囲気 液体 ガス 真空
処理温度 550~580℃ 530~600℃ 450~500℃
加熱方法 ヒーター加熱 ヒーター加熱 プラズマ・ヒーター加熱の併用
環境負荷 × (廃ソルト)
部分窒化
表面性状 ×
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ラジカル窒化では従来の窒化処理と比較し、処理前の光沢を損なわず高品質な製品を提供いたします。

※ご支給時のコンディションにより、仕上がりは異なります。

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